
魂の旅 ―最終話:本当の光―
鏡の中の問い
紗月は、今日も鏡の前に立っていた。 肌のつやは良く、目元には光が宿っている。 けれど、その奥にあるものは、自分でもよくわからなかった。
夜になると、思い出してしまう。 陽翔と過ごした日々。 彼のエネルギーに触れたときの、あの高揚感。
「もう、あれなしじゃ、生きていけない」
そして、ふと考える。
「やっぱり…陽翔じゃなかったのかも。 本当のツインレイは、蓮さんだったのかな…」
あの頃の憧れ。 あの人となら、もっと深くつながれたかもしれない。 そう思うことで、心の空白を埋めようとしていた。
「陽翔は…偽ツインだったのかも」
その言葉が、頭の中で静かに響いた。 でも、どこかで違和感もあった。 “偽”と決めつけることで、自分の痛みから目をそらしているような気もした。
ふと、部屋の隅に置かれたままの小瓶に目が留まる。 “自己回帰”と書かれたラベル。 まだ開けていないその瓶が、まるで彼女を見つめ返しているようだった。
「私は…私に戻れるのかな」
その問いは、鏡の中の自分に向けられていた。
日常という光
陽翔は、静かな朝の光の中でコーヒーを淹れていた。 窓の外では、風が木々を揺らしている。 彼女はまだ眠っていて、部屋にはやさしい気配が満ちていた。
あの夜から、すべてが変わった。 でも、すべてが“戻った”わけではない。 むしろ、初めて“自分の場所”に立てた気がしていた。
「一緒に、これからも生きていきたい」 そう伝えた日のことを、彼は思い出していた。
彼女の微笑み。 その言葉に、陽翔の胸は静かに満たされた。
「ありがとう。私も、そう思ってた」
それは、魂の震えではなく、静かな確信だった。 彼は、過去を否定しない。 紗月との日々も、必要な旅だったと、今なら思える。
「境界線のエッセンス、こぼれてよかったのかもな」 彼はふと、手のひらを見つめた。 あの夜、肌に染み込んだ感覚が、今もどこかに残っている。
それは、守る力の始まりだった。
空の人の記録
空のずっと上。 風さえ届かない静かな場所に、ぼくはいる。
名前はない。形もない。 ただ、魂の流れを見守る存在――空の人。
紗月の魂が、まだ揺れているのを感じる。 彼女はまだ“外”に答えを探している。 でも、あの小さな瓶が、いつか彼女を内側へ導くかもしれない。
陽翔の魂は、静かに根を張り始めている。 それは、逃げではなかった。 それは、守るための選択。 そして、愛されることよりも、安心して愛することを選んだ証。
ぼくは、風の粒に記録する。 魂の震えを、そっと。
誰も気づかないけれど、ぼくはいつも空から見守っている。 そして、必要なときには、風を通してエネルギーを届ける。 彼の手元の石に、彼女の胸の瓶に、そっと光を灯すように。
🌕今日のアファメーション
「私は、外の誰かではなく、自分の内なる光を信じます。 その光が、私を本当の私へ導いてくれます。」
物語の終わりは、いつも新しい始まり。 紗月も陽翔も、それぞれの場所で、 自分の魂と向き合いながら、新しい旅を始めています。
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あなたの旅が、やさしくほどけていきますように。 そして、あなた自身の“本当の光”に出会えますように✨
