魂の旅 ―第3話:違和感の影―

静かな疲れ

陽翔は最近、少しだけ疲れていた。 紗月とのやりとりは、悪くない。 むしろ、誰かに尽くされるのは心地よかった。

でも、何かが引っかかっていた。 予定を詰められ、写真を撮られ、タグをつけられる。 「#魂の再会」「#波動の一致」――その言葉に、どこか違和感を覚えていた。

「俺って、ただの“演出の道具”なんじゃないか…?」

そんな思いが、ふとした瞬間に胸をよぎる。 そして、手首に巻かれた淡いブルーグリーンのブレスレットが、静かに冷たく光っていた。 まるで、彼の違和感にそっと寄り添うように。

小さな気づき

それでも、ブレスレットを身につけてから、陽翔の中に少しずつ変化が起きていた。 朝の空気が、前より澄んで感じる。 コンビニの店員の「ありがとうございます」が、なぜか心に残る。 道端の花に目が留まり、ふと笑みがこぼれる。

「なんでだろう…最近、ちょっとだけ気持ちが軽い。」

それは、ほんの小さな幸せ。 でも、確かに彼の中に灯り始めていた。 そして、ブレスレットが彼の感覚を静かに開いていた。

導きの光

その夜、陽翔はひとりで部屋の灯りを落とし、静かに目を閉じた。 手首のブレスレットに指を添えると、石がほんのりと温かくなった気がした。

その瞬間、空の上では、ぼくが風を集めていた。 彼の魂が揺れたことを感じて、そっとエネルギーを吹き込む。 ブレスレットの石は、彼の内なる声に共鳴し、静かに光を放った。

それは、導きの光。 演出では届かない場所へ、彼を運ぶための合図だった。

風の出会い

翌日、陽翔は仕事帰りに駅のホームで電車を待っていた。 人の波に揺れながら、ふと視線を上げたとき――

そこに、彼女がいた。

白いブラウスに、淡いグレーのスカート。 風に髪が揺れて、目元は静かに微笑んでいた。

「…誰だろう、この人」

初めて見るはずなのに、なぜか懐かしい。 胸の奥が、ぎゅっと締めつけられるような感覚。

そして、手首のブレスレットが、ふたたび光った。 まるで、彼女の存在に反応するように。

彼女がスマホを取り出し、何かを見て微笑んだ瞬間、 陽翔は、思わず一歩踏み出していた。

魂の予感

「すみません…あの、よくこの駅使われてますか?」

陽翔の声に、彼女は少し驚いたように振り返った。 でも、すぐに柔らかく笑った。

「はい、仕事帰りによく通ります。」

その声を聞いた瞬間、陽翔の中で何かがはじけた。 言葉では説明できない。 ただ、彼女の存在が“本物”だと、魂が叫んでいた。

「よかったら…少しだけ、お茶しませんか?」

彼女は少し考えてから、うなずいた。 「じゃあ、駅前のカフェで。」

鏡のような人

カフェの席に座った彼女は、静かに紅茶を口に運びながら話し始めた。 仕事のこと、好きな本のこと、最近気になっている香りのこと。

陽翔は、彼女の話に耳を傾けながら、ふと気づいた。

「この人…SNSで憧れてたあの人に、どこか似てる。 でも、それだけじゃない。 俺自身にも、似てる気がする。」

彼女は、陽翔の言葉に少しだけ笑った。 「それって、魂が似てるってことかもしれませんね。」

その瞬間、陽翔の胸が熱くなった。 演出では届かない場所に、何かが触れた気がした。

そして、彼の手元のブレスレットが、ふたたび静かに光った。 それは、魂が“本物”に反応した証だった。

空からの記録

ぼくは見つめていた。 彼の魂が、違和感の影を抜けて、 本物の光に触れた瞬間を。

それは、演出では届かない場所。 それは、魂が自ら選ぶ“震え”の始まり。

ぼくは、風の粒に記録する。 魂の震えを、そっと。

誰も気づかないけれど、ぼくはいつも空から見守っている。 そして、必要なときには、風を通してエネルギーを届ける。 彼の手元の石に、そっと光を灯すように。

「光の種」の店主は、その気配を感じ取る存在。 彼が陽翔に手渡したブレスレットは、ただの石ではない。 それは、彼の魂に寄り添い、導くための“鍵”だった。

🌕今日のアファメーション

「私は、違和感を無視せず、魂の声に耳を傾けます。 その声が、私を本物の出会いへ導いてくれます。」

物語の中で陽翔が感じた“違和感”は、 魂が本物に触れるための、静かなサインだったのかもしれません。

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あなたの旅が、やさしくほどけていきますように。 そして、あなた自身の“本当の声”に出会えますように🌙

eternity