魂の旅 ―第9話:本物との喜び―
静かなつながり
陽翔は、彼女と電話をしていた。 駅で出会った、あの“本物”の女性。 声を聞くだけで、胸の奥がふわりとほどけていく。
「なんか…話してると、安心する。」 「うん、私も。呼吸が深くなる感じ。」
彼女の声は、やさしくて、どこか懐かしい響きがあった。 言葉を交わすたびに、陽翔の中に静かな温度が灯っていく。 それは、長く探していた“つながり”に触れたような感覚だった。
「これって…エネルギーが交換されてるのかな。」 「うん、そんな気がする。なんか、自然に思い出すよね。」
その瞬間、陽翔の胸の奥に、ふと光が差し込んだ。 ――紗月と並んで歩いた、あの午後。 風が吹いて、光が揺れて、 言葉もなく、ただ存在が響き合っていた。
あのとき感じた震えが、今、彼女の声の奥にもある気がした。 陽翔は、静かに笑った。 それは、演出でも執着でもない。 ただ、自然に生まれた“喜び”だった。
帰り道のやさしさ
その日、会社を出た陽翔は、少しだけ遠回りして帰ることにした。 駅前の花屋の前で、年配の女性が落とした小さな鉢を拾おうとしていた。
陽翔はすっと近づいて、そっと鉢を拾い上げた。 「大丈夫ですか?」
女性は驚いたように笑って、 「ありがとうね、助かったわ。」
その笑顔に、陽翔の胸がじんわりと温かくなった。 「俺、少しずつ…変わってるかもしれない。」
彼は、光の中にいるイメージを思い浮かべながら歩き出した。 その光が、今日の自分をやさしく包んでいる気がした。
切れない人
夜、彼女との電話の中で、陽翔は少し言いにくそうに言った。
「でも…まだ、ちゃんと終わってない関係があって。」
彼女は、少しだけ黙ってから答えた。
「うん、待ってる。 あなたがちゃんと整理できるまで、焦らなくていいよ。」
その言葉に、陽翔は深くうなずいた。 彼女の声は、急かさず、ただそっと寄り添っていた。
「うん、決めた。ちゃんと終わらせる」
その言葉は、彼自身の中から自然に出てきたものだった。 誰かの期待でも、演出でもない。 それは、自分の魂が選んだ“決意”だった。
空からの記録
ぼくは見つめていた。 彼の魂が、安心の中でほどけていく瞬間を。 彼女の魂が、静かに寄り添っている瞬間を。
それは、光の中で生まれたつながり。 それは、魂が何か深いものに触れたような、静かな震えだった。
そして、会社帰りの小さなやさしさも、 彼の魂が“本物”に向かっている証だった。
ぼくは、風の粒に記録する。 魂の震えを、そっと。
誰も気づかないけれど、ぼくはいつも空から見守っている。 そして、必要なときには、風を通してエネルギーを届ける。 彼の手元の石に、そっと光を灯すように。
今日のアファメーション
「私は、安心の中でつながる関係を選びます。 その感覚が、私の魂を自由にしてくれます。」
物語の中で陽翔が感じた“安心”は、 魂が本物に触れたときにだけ生まれる、静かな喜びだったのかもしれません。
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あなたの旅が、やさしくほどけていきますように。 そして、あなた自身の“本物の喜び”に出会えますように🌙

