魂の旅 ―第5話:嫉妬の気配―
ざわめく違和感
紗月は、陽翔の変化に気づいていた。 LINEの返信は遅くなり、写真を撮るときの笑顔もどこか硬い。
「最近、なんか…違う。」
彼の目が、遠くを見ているような気がした。 まるで、誰かを思い出しているような。
紗月の胸がざわついた。 そのざわめきは、静かに広がっていく。 不安とも、怒りとも違う。 でも確かに、彼女の中に何かが揺れていた。
念の飛翔
その夜、紗月は陽翔のSNSを開いた。 最近の投稿には、彼女の存在がまったく映っていない。
「なんで…?前は、私のこと載せてくれてたのに。」
スマホを握る手に、力が入る。 胸の奥が、じりじりと焼けるように熱くなる。
「見てるよ…ちゃんと見てるから。」
その瞬間、陽翔は仕事中にふと手を止めた。 誰かに見られているような感覚。 背中に、じんわりと冷たいものが走った。
振り返っても、誰もいない。 でも、心の奥に、何かが刺さっていた。
「…なんだ、今の。」
彼は、深く息を吐いた。 でも、その違和感は、しばらく消えなかった。
そして、手首のブレスレットが、かすかに震えた。 空の上では、ぼくが風を集めていた。 彼の魂が揺れたことを感じて、そっと守るようにエネルギーを吹き込む。
光の種の影
紗月は「光の種」を訪れた。 店主は、静かに棚を整えていた。
「最近、彼が冷たい気がするんです。」 紗月はぽつりとこぼした。
店主は、小さな瓶をひとつ手に取った。 ラベルには、“執着を手放す”と書かれていた。
「これは、今のあなたに必要なものかもしれません。」
紗月は、その瓶を見つめたまま、そっと首を振った。
「でも…手放したくないんです。 この人がいないと、私、空っぽになっちゃう。」
店主は何も言わず、棚の別の段を指差した。 そこには、いくつかの瓶が並んでいた。 “魅力を引き出す”“自分を愛する”“光を纏う”――そんな言葉が並んでいる。
紗月は、その中からひとつを手に取った。 “魅力を引き出す”と書かれた瓶。 そのラベルの金の文字が、なぜか今の自分にしっくりきた。
「これにします。」
店主はうなずいた。 「選ぶことも、手放すことの始まりかもしれませんね。」
その言葉が、紗月の胸に静かに落ちた。 瓶の中の光が、ほんのりと揺れていた。
空からの記録
ぼくは見つめていた。 彼女の魂が、愛と執着の境界に立ち、 自分自身を取り戻そうとする瞬間を。
それは、光を求める叫び。 それは、影に惹かれる欲望。
ぼくは、風の粒に記録する。 魂の震えを、そっと。
誰も気づかないけれど、ぼくはいつも空から見守っている。 そして、必要なときには、風を通してエネルギーを届ける。 彼女の手に渡った瓶にも、そっと祈りを込めた。
「光の種」の店主は、その気配を感じ取る存在。 彼女が紗月に選ばせた瓶は、ただのアイテムではない。 それは、彼女の魂に問いかける“鏡”だった。
今日のアファメーション
「私は、誰かの反応ではなく、自分の内側から価値を感じ取ります。 その感覚が、私を自由にしてくれます。」
物語の中で紗月が感じた“ざわめき”は、 魂が本当の自分に気づくための、静かなサインだったのかもしれません。
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あなたの旅が、やさしくほどけていきますように。 そして、あなた自身の“本当の価値”に出会えますように🌙

