魂の旅 ―第7話:サイレントの宣告―

限界の気配

陽翔は、紗月との関係に疲れ始めていた。 会うたびに体が重くなり、眠れない夜が続く。 差し入れ、予定の提案、SNSの匂わせ投稿―― すべてが、彼の呼吸を浅くしていた。

「ちょっと、距離を置きたい。」

そう伝えたとき、紗月は静かにうなずいた。

「…わかった。これが“サイレント期”ってやつね。」

その言葉に、陽翔の背筋がぞくりとした。 まるで、何かを決めつけられたような感覚。 彼の言葉は、彼女の“物語”の中に吸い込まれていった。

「サイレント?って…俺、ツインレイじゃないし…。」 心の中で、陽翔はつぶやいた。

「というか、憧れの蓮さんはどうなっちゃったんだよ。 憧れの蓮さんのためにこの関係だったんじゃないのか? 意味が…分からない…。」

彼の胸の奥に、混乱と違和感が渦巻いていた。 まるで、自分が誰かの夢の中に閉じ込められているような感覚。

逃げられない関係

距離を置いたはずなのに、紗月は変わらなかった。 「元気?」「今日は何してる?」 SNSには、陽翔を匂わせる投稿が続いていた。

彼女が近づいてくると、胸が締めつけられるような感覚になる。 まるで、見えない手で首を絞められているような。

「なんで…こんなに苦しいんだ。」

陽翔は、誰にも言えずにいた。 彼女の言葉も、笑顔も、優しさも―― すべてが、彼の境界を越えて押し寄せてくるようだった。

光の種の沈黙

陽翔は、「光の種」を訪れた。 店内は、いつものように静かで、香りが優しく漂っていた。 その空気に触れただけで、少しだけ呼吸が楽になる。

店主は、棚を整えながら、彼の気配に気づいていた。

「最近、息がしづらいんです。 誰かに、ずっと見られてる気がして…。」

陽翔の声は、かすかに震えていた。

店主は、小さな石を手渡した。 それは、黒曜石のように深い色をしていた。

「これは、境界を守るための石です。 あなたの“内側”を、守ってくれるかもしれません。」

陽翔は、その石を握りしめた。 手のひらに伝わる冷たさが、静かに彼を落ち着かせていく。

「何かあったら、光の中にいるようにイメージするんだよ。 その光が、あなたを包んでくれるから。」

その言葉に、陽翔はそっと目を閉じた。 光の粒が、彼の周りにふわりと広がるイメージが浮かんだ。 少しだけ、呼吸が戻った気がした。

ヒーリングの時間

店主は、静かに言った。

「少しだけ、ヒーリングをしましょうか。」

陽翔は、うなずいた。 椅子に座ると、店主はそっと彼の背後に立ち、手をかざした。

空気が静かに変わる。 まるで、風が店内を優しく撫でているようだった。

店主の手から、目に見えない光が広がっていく。 それは、陽翔の胸の奥に溜まっていた重さを、少しずつほどいていくようだった。

「あなたの境界が、やさしく整いますように。 あなたの魂が、安心の中で呼吸できますように。」

その言葉が、彼の心に静かに染み込んでいった。 涙が出るほどではないけれど、何かがほどけていく感覚。 それは、彼自身が忘れていた“安心”だった。

空からの記録

ぼくは見つめていた。 彼の魂が、逃げ場を探していた。 彼女の魂が、繋がりを手放せずにいた。

それは、愛ではなく、恐れの連鎖。 それは、魂の声がかき消される瞬間。

でも、彼は少しずつ、自分の境界を守る選択をし始めていた。 その手元には、深い色の石。 そして、光の中にいるというイメージ。 ヒーリングの光が、彼の魂にそっと寄り添っていた。

ぼくは、風の粒に記録する。 魂の震えを、そっと。

誰も気づかないけれど、ぼくはいつも空から見守っている。 そして、必要なときには、風を通してエネルギーを届ける。 彼の手元の石に、そっと光を灯すように。

今日のアファメーション

「私は、恐れではなく、安心の中でつながりを選びます。 その選択が、私を自由にしてくれます。」

物語の中で陽翔が感じた“苦しさ”と“混乱”は、 魂が自分の境界を守ろうとするときに起こる、静かなサインだったのかもしれません。

現実の世界でも、そんな“安心の中でのつながり”を選ぶ時間を持ってみませんか? 物語の「光の種」のセッションは、実際にはeternityという場所でご案内しています。

あなたの旅が、やさしくほどけていきますように。 そして、あなた自身の“守られた光”に出会えますように🌙

eternity